映画鑑定士と顔のない依頼人のあらすじと感想孤独な幸せの形

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公開日:2013年

 



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あらすじ

天才的な審美眼を誇る美術鑑定士ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)。情熱を傾けるのは美術品のみ。
豪奢なホテルで暮らし、従業員たちが用意したサプライズさえクールに受け流す。

人に触ったり触られたりするのと電話が苦手でいつも手袋をしている。
一級の美術品には目がなく、手元に置いておきたいあまり詐欺紛いの方法で手に入れたりもする。
オークションハウスの鑑定士としては信頼を得ているが、一筋縄ではいかない人物である。

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そんなある日、資産家の両親が遺した美術品を査定してほしいという依頼を受ける。飛び込みの客であり、ヴァージルが出向くほどの案件ではない。
しかし、幾度とない要請にヴァージルは依頼を引き受ける。
屋敷を訪ねるも依頼人の女性クレア(シルヴィア・フークス)は決して姿を現さず不信感を抱くヴァージルだったが、歴史的価値を持つ美術品の一部を見つける。その調査と共に依頼人の身辺を探り始めるヴァージル。

 

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なかなか出てこない依頼人…そして少しずつ集まる歴史的美術品のパーツ。
ヴァージルは美術品の探求と共に依頼人への探求を止められず…。

 

感想

ヴァージルは孤独な老人である。
友人はおらず、恋人もいない、優しく接してくれた従業員にも皮肉で返すことしか出来ない。

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けれど彼は幸せだった。
何十年もの間情熱を傾けるものがあり、それに携わる職業を得て、かなりの地位をも手に入れた。
そして、美しい絵画たちを一人で独占することができた。

 

彼は謎が好きだった。分からないものが解明された時に得られるエクスタシーが好きだった。
そして、なにより美術品が好きだった。

 

哀れだったのだろうか…。
それとも孤高を謳歌していたのだろうか…。
どちらも正解だと思う。
彼は寂しくて楽しい生活を過ごしてきたんだと。



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対人恐怖症でありながら謎の多い依頼人に心惹かれていく彼は滑稽でもあった。
若く美貌もある彼女がなぜ老人である彼を愛するのか。
彼は気づかなかったのだろうか?
気付いていて気づかないフリをしていたのだろうか。

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不器用な老人の恋は成就した。
恋愛指南を受けた男とその彼女、老人と依頼人のカップルの食事風景は楽しそうではあったが、違和感ばかり感じた。
それは前半の彼の生活スタイルとのギャップがありすぎたためだ。

幸せな生活はすぐに破綻を迎えた。
鑑定士を引退した夜、愛しの彼女はどこかへと消えてしまった。
そして同じく愛しの秘蔵絵画たちも姿を消した。

いろいろな謎は彼が大事なものを失った時に、一気に明らかになる。
それでも明らかにならない謎もある。

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彼女は本当に彼を愛したのか。
彼はそれを信じて、以前彼女と話したお店で彼女が現れるのを待った。

 

予告編でクローズアップされていた部分はすぐに解明されたが、登場人物の謎もあり最後まで楽しんで観れた。
動きがあまり多くはないが、所々のシーンがとても綺麗である種の様式美が主人公を取り巻いていた。
だからこそ私個人としては主人公には老いらくの恋に溺れて欲しくなかった。
己を律している人間はそれだけで美しく、人間の欲望も主人公は己を崩さず表現出来ていた。
彼女に出会うまでは。

主人公は最後まで彼女を信じていたのだと思う。
頭のいい主人公が年齢差を顧みなかったわけではないはずだが、初めて触れた女性の身体に溺れてしまったのだろう。
それが現代的価値観の幸福の形であることは明白で、それ故にひねくれ者の私は主人公の純粋さにイラついた。
最後は失ってしまったが、主人公は彼女との短いささやかな思い出だけで残りの余生を幸せに過ごせるのだろうか。



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