映画海洋天堂のあらすじと感想
公開日:2010年
あらすじ
水族館に務めるシンチョンは妻に先立たれ、自閉症の息子ターフーを男手一人で育ててきた。ある時シンチョンはがんで余命宣告を受けてしまう。ターフーには知的障害もあり一人で暮らすことはできない。ターフーをおいて先にいけないと思い、2人で海に身を投げてしまう。しかしなにもわからないターフーによって助けられてしまった。
ターフーは泳ぎが大得意だった。びしょ濡れで家に帰る二人。シンチョンは自分がなくなった後ターフーが一人で生きていけるよう、残された時間を使って努力しようと心に決めた。彼を預かってくれる施設を探し、日々の暮らしに必要なことをターフーに教えようとするシンチョン。
そんなシンチョンを見守るのは近所に住むチャイ。彼女は、シンチョンに好意を寄せているようで、食事を持ってきてくれたりと何かと世話を焼いてくれる。シンチョンの務める水族館でもターフーは人気者で、周りに暖かく見守られ、支えられながら、シンチョンは一人で生きていくすべをターフーに身に着けさせるべく奮闘する。
感想
主演を務めるのはジェット・リー。アクションスターである彼が、本作ではアクション一切なし、見るもの心にじわりと迫る演技力を見せてくれている。彼はこの脚本に感銘を受け、ノーギャラでの出演を望んだという。病気や障害を扱ったありがちなお涙ちょうだいストーリではない。
とにかく淡々と進んでいく。余命宣告を受け、自閉症の息子の将来を案じたり、声を荒げて怒ったり、大声で泣いたりなどしないのがこの映画だ。
人は淡々と生きるのである。その淡々とした中になんとも深い悲哀が感じられる。ターフーの無邪気さがまた涙を誘う。父の余命が目前に迫っていることも彼には理解できないのだ。
そんな二人を見守る隣人のチャイがまたいい。ひそかにシンチョンに好意を寄せているチャイ。それに対してシンチョンも憎からず思っているようだが、そこもまたあえてロマンチックに描いていないのがいい。
シンチョンがチャイと隣り合って腰かけ、「嫌いなわけないじゃないか」と告げるシーン。二人の恋心を描くのは唯一この場面のみである。ただただ終始淡々と流れていく。ただ、見終わったあと思い返すと、描かれていたテーマの重さにふと気づかされる。
障害を持つ子を残して天にいく親。残された子を社会はどう支えるのか。ぼーっと生きていては見えない何かを見せてくれるのが映画だ。問題提起し世に問いかけてくれるのが映画だ。
映画の役割、あるべき姿を見せてくれた作品だと思う。これまでで一番泣いた映画だった。銀座の映画館だったが、終始観客の鼻水をすする音が響いていた。こういう映画がもっともっと話題になるべきだと思う。
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