映画戦国自衛隊は男のロマンを表現した作品
公開日:1979年
感想
1979年の日本映画です。アクション監督&主演が千葉真一。タイムスリップした自衛隊が、戦国時代の武田家と闘う話です。もう、これほど夢のある物語は他にないのではと私は思います。こんな美味しいプロットなのに、なぜ海外ではあまり使われないのでしょうか。それとも私が知らないだけで既に使われていたり・・・?
日本では映画より小説の方に多大なる影響を及ぼした作品です。ちなみに眉村卓の原作を読みましたが、小説とは違って地味でした。
むしろ志茂田景樹著作の「戦国の長嶋巨人軍」の方がバカバカしさも含めて遥に面白かったです。この映画も既に10回以上は見ていますが、何回見ても飽きません。
現代の自衛隊と戦国のサムライたちが戦うという、少年の夢を具現化した映画に、いつまでたっても興奮を覚えてしまう私がアホなんだろうとも思いますが。当然バタバタとやられていく武田軍。
圧倒的な戦力差が味わえる前半は、特に見ていてカタルシス満点です。単なるバカ映画ではないのは、隊員たちの一人一人をキチンと描いているからだと思います。千葉真一は当然カッコイイところをガンガン持ってはいきますが、それでもそれぞれ見せ場があるのが凄いです。
特に隊一の射撃の名手、三村泰介一等陸士にはクラクラしました。女だったら彼を選ぶと思います。渡瀬恒彦の狂犬ぶり、やたらションベンが近い三浦洋一、あの髪型あのグラサンでまさかの出演をしたかまやつひろし、あぁどれも忘れ難く味わい深いです。
中盤、長尾景虎(夏八木勲が熱演)と千葉真一がふんどし姿で磯に立ち、荒波を2人で見ているシーンがあります。深読みしたファンが「あれは所謂同性愛的な間柄」という解釈をしていますが、私は単純に「男の友情」だと信じたいです。この映画は最後の最後まで「男の夢」を描き切った、傑作だと思います。