映画ルパン三世 カリオストロの城のあらすじ・感想
公開日:1979年
あらすじ
ルパン一家が今回狙うのは、国営大カジノの大金庫に眠る莫大な売上金。攻略不可能と言われる罠の数々を突破したルパン達は目的通りそのお宝を手に入れる。
しかし逃亡の途中、盗んだ札束に埋もれながら歓喜するルパンは、その札束が精巧に作られた偽札である事に気がつく。その偽札は「ゴート札」といい、近年流通量を急激な勢いで増やしていた。
偽物を掴まされたルパン達はゴート札の出処を突き止めるべく、カリオストロ公国に乗り込む。一族の殆どが絶えたカリオストロ公国は、その血を実際に継ぐ者はクラリスという少女唯一人となっていた。
莫大な土地や財産を独り占めせんと企むカリオストロ伯爵は、クラリスと一緒になる事でその野望を達成しようとしていた。その為クラリスを無理やり塔に幽閉し、強制的に結婚の儀式を執り行おうと考えたのだ。しかし遠い昔、クラリスに命を救ってもらった恩があるルパンは、仲間と共にクラリス救出を決意するのであった。
感想
今まで数多く放送されてきたルパン三世劇場版・テレビスペシャルの中でも、間違いなくトップに食い込んでくるのが今作、【ルパン三世カリオストロの城】である。
監督を担当しているのはかの有名な宮崎駿であり、作画が少々宮崎駿流になっているものの、ストーリー展開などは文句のつけようがなく面白い。あまり知られていない事であるが、ルパン三世は元祖はほぼ笑いなしのシリアスアニメである。そしてその後、シリアス重視の1st、コメディ色が強い2nd、作画が原作に非常に近い3rdと長きに渡り放映されてきた。
今回のカリオストロの城では、現代の世間的なイメージが強い2ndルパンを踏襲しつつ、1stのシリアス要素もしっかりと組み入れた質の高い一作となっている。
ルパンがクラリスを助ける為塔から塔へ飛び移る(落ちそうになるといった方が近いかもしれないが)シーンなど映画を見た事がない人でも知っているかもしれない有名シーンぞろいであるが、その中でも愛すべき我らがとっつぁん、銭型警部の「ヤツは大変なものを盗んでいきました・・・あなたの心です」はアニメ史上にも残るであろう名言として未だ輝きを放っている。
銭型を長年演じていた納谷悟朗氏は残念ながら既に死去しているが、我々の中からその言葉が消えることはないだろう。また、クラリスを演じているのは同じくナウシカやめぞん一刻にも出演している島本須美氏。年齢を重ねても未だ透明感のある声は、クラリスの可憐かつ儚げな様子にぴったりである。
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